株式会社の株主の場合と違って、社員の入退社は、お金のやり取りだけで自由に出来る訳ではありません。
(ここで言う社員とは、従業員のことではなく、出資者のことです。)
まず入社についてですが、合同会社は、人の結びつきを重視した会社なので、原則として社員全員の合意が必要です。
この辺りは、株式会社と比べるとガチガチの規定なのですが、これは、社員=経営者であるため、人の入退社によって、会社の存亡に関わる場合があるためです。
また、社員の変更は、定款の変更を必要とし、定款の変更には社員全員の合意が必要であるという規定があることからも言えます。
それからもう一つ条件がありまして、入社前までに出資金の払込みまたは給付を完了していることです。
ただし、合同会社は、自由な会社であるため、入社の規定に関しても、定款に定めておくことによって、好きなように決めることが出来ます。
退社については、次の10の場合に該当すれば退社する(させられる)ことが出来ます。
1.やむをえない事情がある時
2.合同会社の存続期間を決めていない場合や、ある社員の終身間会社が存続する場合には、6か月前に予告をすること。(この場合には、事業年度の終了時に退社が出来ます)
3.定款で定めた事由の発生
4.総社員の同意
5.死亡(定款に別段の定めをしなければ、相続人は、持分を相続しません)
6.合併(合併により、法人である社員が消滅する場合)
7.破産手続き開始の決定を受けた時
8.解散
9.後見開始の審判を受けた時
10.除名(対象社員以外の社員の過半数の決議に基づいて、裁判所に訴えを提起して、判決によって除名)
*7、8、9に関しては、 定款で、退社事由としないことも可能です。
なお、退社の登記をする前に生じた債務については、弁済の責任がありますので、注意が必要です。