運営上のリスクに関しては、 株式会社と同じ法人組織に分類される為、基本的には出資した分だけの責任を負えば良いという点は同じなのですが、利益が出た場合の分配方法と組織作りの自由度、そして何と言っても立ち上げ費用が安いといった点で、合同会社を設立する大きなメリットがあります。
利益の分配方法
株式会社は、出資した金額に応じて利益が分配されますので、多くの見返りを得たければ、その分たくさんの出資をしなければなりません。
これに対して、合同会社(LLC)は、出資を少ししか出来なくても、見返りを自分よりたくさん出資した人よりも多く貰うことが可能です。
従来は、アイデアや技術、情報といったものを持っていても、出資を少額しか出来ない人は、例えその人のアイデアのお陰で膨大な利益が出たとしても、出資額に応じた配当しか貰えない仕組みでしたので、不公平感が残り、モチベーションの低下にも繋がっていました。
この点を解消したのが合同会社で、資金は無くても技術力を持った人と、販売網や資金を持ち合わせた人がタッグを組み、事業への貢献度を重視して、出資は1%でも取り分は60%というような設定も定款で決めておくことによって、自由自在にできます。
組織作りの自由度
新会社法によって、株式会社も機関設計をある程度自由に出来るようにはなりましたが、それでも合同会社(LLC)ほどの自由度はありません。
株式会社であれば株主総会を失くすことや議決要件を完全に自由に決めることは出来ませんが、合同会社であれば、組織や議決要件を都合の良いように好きに決められますので、独裁型にも、社員全員が平等でフラットな組織にすることも可能です。
立ち上げに必要な費用
合同会社を設立する為に最低限必要な費用は、株式会社よりも約14万円も安く済みます。
また、新しく有限会社を作ることは出来なくなりましたが、それに最も近い組織として、手軽にスタートすることが出来ことからも、今非常に注目をされています。